
次の朝、ローラは早めに出勤した。小さな容器にフードを入れ、水をボトルに満たしてバッグへ入れる。7時15分、いつもの停留所にバスが差しかかると、やはりそこにマックスがいた。変わらぬ姿で、道路を見つめている。ローラは小さくつぶやいた。「本当に諦めないのね」乗客を乗せながらも、何度もバックミラーを見た。まるで誰かが乗ってくるのを待っているように。勤務後、彼女は再びあの青い家へ向かった。マックスは門のそばに寝そべり、静かに耳を動かした。
ローラは少し離れたところに餌と水を置き、道端に腰を下ろした。「大丈夫よ、怖くないから」マックスは匂いを嗅ぎながらも、すぐには近づかない。数日間、ローラは毎日通った。穏やかに声をかけ、バスの出来事や乗客の話をした。少しずつ、マックスは距離を縮めていった。ある日、ついにマックスが彼女の膝にそっと頭をのせた。ローラは息をのんだまま、微笑んだ。「そう、いい子ね。もうひとりじゃないよ」
その瞬間から、すべてが変わった。それ以降、マックスはバス停だけでなく、車庫の近くにも姿を見せるようになった。バスが来ると尻尾を振り、嬉しそうに彼女を見上げた。
このあと、ローラの優しさが生んだ心温まる結末とは――続きを次のページで。
